👃小児の鼻炎(びえん)について―子どもの「鼻づまり」「くしゃみ」「鼻水」には理由があります―
- せい子 藤沼
- 10月28日
- 読了時間: 3分
🧩 鼻炎とは?
鼻炎とは、鼻の粘膜に炎症が起こり、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」などの症状が続く状態のことをいいます。子どもでは風邪(ウイルス性鼻炎)によるものが多いですが、最近は「アレルギー性鼻炎」も増えています。特にスギ花粉やダニ・ハウスダストが原因になるケースが多く、季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)や通年性アレルギー性鼻炎として見られます。
🌸 鼻炎の種類
急性鼻炎(風邪による鼻炎) ウイルス感染が原因で起こります。発熱やのどの痛みを伴うこともあり、数日〜1週間ほどで自然に治ることが多いです。
アレルギー性鼻炎 スギ花粉やダニ、ハウスダスト、ペットの毛などが原因。 鼻をむずむずさせる強いくしゃみ、透明でサラサラした鼻水、鼻づまりが長く続きます。目のかゆみを伴うこともあります。
慢性鼻炎 鼻水や鼻づまりが長期間続くタイプで、副鼻腔炎(ちくのう症)を併発することもあります。
📊 子どもの鼻炎の多さ(疫学)
日本では、学童期の約4〜5人に1人がアレルギー性鼻炎を持っているといわれています。特に都市部では、空気中の花粉やハウスダストへの暴露が多く、スギ花粉症の低年齢化が進んでいます。また、エアコン使用や換気不足によるダニ・カビの増加も原因の一つです。
🔎 診断
診断では、症状の聞き取りに加えて以下のような検査を行います。
鼻の中の観察(粘膜の腫れや鼻水の状態を確認)
アレルギー検査(血液検査) → スギ、ヒノキ、ダニ、ハウスダスト、ネコ、イヌなどの原因を調べます。
副鼻腔エコー(副鼻腔炎を併発していないかを調べる)
くわはらこどもクリニックでは、お子さんの年齢や症状に合わせて負担の少ないアレルギー検査を行っています。
💊 治療
鼻炎のタイプや症状の強さに応じて、次のような治療を行います。
1. 薬による治療
抗ヒスタミン薬(アレルギーを抑える飲み薬)
点鼻ステロイド薬(鼻の炎症を抑えるスプレー)
去痰薬・抗ロイコトリエン薬(鼻づまりを改善)
お子さんの年齢や体重に合わせて安全に使えるお薬を選びます。
2. 環境の改善
こまめな掃除・換気
布団やぬいぐるみのダニ対策
花粉シーズンは外出後の洗顔・うがい・鼻うがい
3. 根本治療(舌下免疫療法)
スギやダニが原因のアレルギー性鼻炎では、舌下免疫療法によって体質を少しずつ改善する治療も可能です。くわはらこどもクリニックでは、ダニ・スギ両方の舌下免疫療法を行っています。
🏥 鼻炎を放っておくと?
鼻づまりが続くと、口呼吸になって集中力の低下や睡眠の質の悪化につながることがあります。また、副鼻腔炎や繰り返す中耳炎の原因になることもあるため、早めの診断・治療が大切です。
🌈 まとめ
鼻炎には「風邪」「アレルギー」「慢性」の3タイプがあります
子どものアレルギー性鼻炎は年々増加しています
適切な検査とお薬、生活環境の工夫でコントロールできます
ダニ・スギによる舌下免疫療法で根本治療をめざすこともできます
お子さんの「くしゃみ」「鼻づまり」「鼻水」が長引くときは、お気軽にご相談ください😊
