手のひらがびっしょり…それ、「原発性手掌多汗症(げんぱつせいしゅしょうたかんしょう)」かもしれません
- せい子 藤沼
- 11月11日
- 読了時間: 2分
手掌多汗症とは?
手のひらに汗をかきやすい体質のことを「原発性手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)」といいます。暑くもないのに手のひらがしっとりしていたり、紙が濡れて勉強しづらかったり、握手で気になることがある…そんなお悩みをもつ方は少なくありません。
日本では 約20人に1人 が多汗症の症状を持つといわれており、子どもだけでなく大人でも見られます。多くは思春期ごろに気づかれ、緊張やストレスなどがきっかけで汗が出やすくなりますが、体の構造や自律神経の働きが関係していると考えられています。
診断のポイント
次のような特徴があると「原発性手掌多汗症」が疑われます。
手のひらの汗が6か月以上続いている
左右の手に同じように汗が出る
寝ている間は汗が止まる
勉強・遊び・人との関わりで困る場面がある
問診と診察を中心に診断します。特別な検査が必要になることはまれです。
当クリニックでの治療
くわはらこどもクリニックでは、外用療法(塩化アルミニウム外用薬) を中心に治療を行っています。
◎ 外用療法とは
「塩化アルミニウム」という薬を手のひらに塗ることで、汗腺の出口を一時的にふさぎ、汗の量を減らす方法です。夜、寝る前に手のひらに塗って翌朝洗い流す、という使い方が一般的です。
最初のうちは刺激感(ピリピリ)が出ることがありますが、濃度や頻度を調整しながら続けることで、1~2週間ほどで効果が出てくることが多いです。継続することで汗が減り、手のしっとり感が軽くなります。
生活の工夫も大切に
手をこまめに乾かす
緊張する場面では深呼吸でリラックス
手汗対策シートや吸水性のあるタオルを活用
外用療法とあわせて、生活の中でできる工夫も行うとより効果的です。
大人の方もご相談ください
手掌多汗症は 子どもだけでなく大人にも治療が可能 です。仕事中のパソコン操作や握手などで困っている方も多く、当院では年齢に関わらずご相談を受け付けています。
まとめ
手のひらの多汗症は「体質だから」とあきらめる必要はありません。手汗で日常生活に支障が出ているときは、早めに医師にご相談ください。外用療法で改善が期待できるケースが多く、学校生活やお仕事がずっと快適になります。
